2013-04-02

Sympathy2013に行ったよ!

Sympathy2013に参加された皆様お疲れ様でした。私自身も体力・気力共々完全に絞りきりました。数年振りの東京旅行、数年振りの行列体験、初めてのオーケストラコンサート、そしてガンガン攻めて来る当日の気温(多分これが一番辛かった)。

普段音楽は好きでよく聞いてTwitterなんかにこの音がーとかあの音がーと言ってたりしますが、「生音がー」と言っても実はその生音ってシンセなりデジタルなものからシミュレートされたものであってまがいものの音で語っていたことになります、あな恥ずかしや。

なので今回の体験は自分の音楽生活にとっても非常に貴重なものでした。そんな話を交えながらSympathy2013のセットリストとその時々の思い出をつらつらと書かせてもらいます。



1:Fanfare

コンサートのオープニングを告げる楽曲。デジタルとは完全無縁な楽器達から放たれる音量は繊細で力強いものでした……なんて綺麗な感想もいいけれど、本音を言いますと「すげー!デジタルで鳴ってたあの楽器の音って本当に鳴らせるものだったんだ!」。本当にこんな機会でもないと生バイオリンとか聞けないですよ。あんな小さな道具からあんな音が鳴るとか、生み出した人は天才です。
曲中にはこれから演奏される曲目のフレーズが沢山含まれていて、ああもうどうなってしまうのだろうかとワクワクしてコンサートは幕開けとなりました。


2:Phantasy Star Medley for Sympathy2013

今回のコンサートはオーケストラのバックに大きなスクリーンが準備されていて、演奏中はそのスクリーンに曲とゆかりのある映像が差し込まれていました。旧作PSのレトロな映像と豪華な音のミスマッチ加減は、それはなかなか面白いものでした。

私、旧作PSはこれっぽっちも遊んだ事がありません。昔はファミっ子だったしRPGに触れたのなんてSFCのロマンシングサガ2からですもの。 しかしPSO以降サウンドディレクターを張り続けた小林神が旧作PSシリーズファンということもあったせいなのか、PSO以降に収録された楽曲には旧作PSのBGMからのフレーズを抜き出してメドレー式に構築された楽曲があり(しかもしれはやたらとカッコイイ)それを通じて曲の存在を知ったり、後で興味をもって自分で調べたりしたりしたお陰でメドレーで流れた曲が大体なにのアレとぼんやりながらも把握出来ていたのは小林神のお陰としか言えません。今回のコンサートで知らない曲が流れる事は1つもなかったというのは、いやはや好きで聞きまくったり事前で予習した成果の賜物ですが、それでもそのキッカケを作ったのは間違いなく小林神なのです。ありがとう小林さん!


3:Phantasy Star Online OPENING THEME - The Whole new world -(小林秀聡)

き、きたー!全ての始まりきたー!レジェンドオブレジェンド!ゲームミュージックの中でも名曲!しかも今回はテレビのスピーカーから流れるのではなくて目の前の楽器がちゃんと鳴らしている……凄いパワーだ。
よく出来たメロディーに最高の演者さん達の演奏は、お馴染みの曲でも全然表情が違うものでした。なんだか懐かしい曲というより、新しいバージョンの「The Whole new world」を楽しめたカンジでした。


4:Can still see the light - Phantasy Star Online ENDING THEME -(熊谷 文恵)

で、でたー!PSO終わったー!レジェンドエンディング!DF倒したー!!!
もうこれは音が云々で演奏がどうのこうのという感想は置いといて「あー、DF倒した……」と口ぽかーんとあけて放心状態になっているような状態で聞き入っていました。舞台の巨大スクリーンではDFとの対決映像が延々と流れていましたが、私の心の映像はスタッフロールが一文字も欠ける事無く綺麗にスタッフロールが流れていました。ゲーム音楽は本当にその時々の絵と共にありきですね……。


5:IDOLA "have the immortal feather & the divine blade Medley"(小林秀聡)

事前に公開されていた演奏項目の1つでどう調理されるのかが気になっていた曲、その1。小林さんの書かれる曲はシンセらしい電気全開の音と実在する楽器の音色全開の音を全力でミックスして料理した結果「小林節」という新しい音になって生み出されるイメージがあります。なのでオーケストラアレンジとなると、シンセサウンドが殆ど消えちゃって、その欠落した部分を楽器の生音で2倍頑張って演奏しないといけないというのは結構しんどいんじゃないのかな?と思いきや、まさかのスピーカーからシンセサウンド鳴っとるー!!! しかも綺麗に演奏合わせとるー!プロスゴイ!
どこかで読んだのですが、今回シンセの音を入れようと提案したのは指揮者の天野さんなんだそうです。この人わかってんなぁ!


6:World with me - Phantasy Star Online EPISODE2 ENDING THEME -(熊谷 文恵)

オルガフロウの形見の剣が消えていくアレ。ULTだとフロウウェン師匠とリコがくるくる回るアレ。
熊谷さんのメロディーの書き方は本当に美しい、凄く優等生。
しかしオープニングとエンディングを立て続けに連続で聞きまくるってのもなかなかないよね(笑)。そして脳内で全部その時の映像が綺麗に再現されるお陰でスクリーンいらずだったもんだから、ひたすら演奏している人ばっかり凝視してました。


7:"LET THE WINDS BLOW" - Theme of Phantasy Star Online EpisodeIII -(床井健一)

PSO_episode3より。なんだかんだ言われるEP3ですが、収録楽曲のクオリティはやたらと高い。その筆頭がこの曲だと思います。この曲も先ほどのOP曲等同様生オーケストラで元々撮られていましたが、スピーカーの障壁をぶちやぶり目の前で演奏されると、もうそれはそれは……ティンパニがぞわあああああああああああってくるんですよ。
床井さんの曲はいい曲が天井知らずなぐらいにクオリティが高いです。PSOサウンドチームは奇跡やで。


8:Underworld -equilibrium-(小林秀聡)

確か動くスペックのPCを所有してなくて試しにプレイしようにもプレイできなかったというどうやっても触れる事が出来なかったPSOBB。リリースされて数年後、有志の方がアップロードされたEP4BGMメドレーや、アルバムのダウンロード販売のお陰で耳にすることができたんですがどの楽曲も気合いが入り過ぎてて遊べなかったのが悔しかった。バイオリンが担当するパートのメロディーは胸を張ってオススメできるぐらいによく出来ています、今回演奏された曲目の半分は凄くバイオリンが印象深かったです。メインのメロディーだったりするからインパクト強くて当たり前なのかもしれないけれど、それでも心にこれだけ響く音というのもなかなかないんじゃないかな。
小林さんがアナログ・デジタルな弦楽器の音色を使ってメロディーを組まれる際に私は「泣き叫ぶような音」と感想を漏らす時があります。楽器が聞かせる感情的な叫び声のような音色は毎度毎度とても不思議な気持ちになるのです。


9:Phantasy Star Zero(小林秀聡)
10:たいせつなもの(熊谷 文恵)

個人的に色々な事情があってノーマークだった「Phanasy Star Zero」。コンサート開催の前々日に急ぎゲームショップでソフトを買い遊び込んだら面白くて色んな方面に謝罪した気分になったゲーム(ちゃんとクリアしました!やったぜ)
「Phantasy Star Zero」はイントロの掴み方がとても上手すぎて卑怯、とってもいいよね!
「たいせつなもの」は私、ずっと外部アーティストの方が寄稿された曲だとずっと思ってました。調べたら熊谷さん作曲でした。PSZにはずっとごめんなさいしないといけないね><。


11:Save This World - Orchestra Version -(小林秀聡)

約6年前、PSOの血を色濃く受け継いだ続編的位置づけの作品が「Phantasy Star Universe」でした。世間では色々言われていますが、なんだかんだで2年程遊ばせてもらった付き合いの長いゲームです(今まで遊んだネットゲームの中で最長記録を保持しています)。
ただ、一番最初の印象はPSO程強いオーラがなくよくもわるくも優等生のようなゲームでした。そしてそれはサウンドも同様に。
ただ、今回約20曲演奏がありましたが一番心に色々残してくれたのはこの曲です。なんだか、産まれたばかりの時はまだまだ自由に動けなくて、とてもいい素質があるのに上手く咲かせる事ができずそのまま次から次へと現れる新しい曲達に追いつめられて居場所がなくなっていったかのような。
「もっと丁寧に育ててあげて、大事にしてあげたのなら綺麗に花開く時がくるよ」それが今回だった気がします。Save This Worldが作った人が頭に描いていた本当の完成形はこんなモノだったのか、それは私にはわかりませんが「お前も綺麗な大人になったなぁ」という言葉を贈りたい曲として花開いた、その開いた場所が25周年記念コンサートというのはちょっと出来過ぎた話かな?(笑)
聞きながら「いい曲、いい曲。いい曲になれて本当によかった」としみじみ思ってました。


12:Save This World - v MIX -(小林秀聡)

日比谷公会堂がここからはクラブ・ロックコンサート会場に!最初この曲が演目に入っていた時に「え、これオケアレンジするの?魔改造じゃないの!?」とかバカな事を思っていましたが、スピーカーから大音量であの極太シンセがズワーッと流れてくるのは、もう楽しくて仕方なかった!しかも生歌、ギター・ベースの生演奏、なによりも小林神本人がショルダーキーボードでパフォーマンスしまくり!現人神や、現人神やで!カッキョエエエエエエエ!!!


13:Living Universe(小林秀聡)

「Phantasy Star In Universe♪」テンション上がりっ放しですよ、楽しい!こんなチープな感想でごめんなさい!楽しかったんだから仕方ない!!! しかしアネットさんの声量は凄いですわ、プロのボーカリストマジパネェっす。次のコンサートはオケコンじゃなくて箱でやろうよ、ね、ね!


14:Go Infinity feat. Takenobu Mitsuyoshi(小林秀聡)

予め曲目は確認していたもの、曲に聞き入っていたので完全にここで光吉さんが出てくるのは忘れていた!PSPo2iサントラでは「Ignite Infinity」だったのにどうして「Go Infinity」だったの?と思ってましたけど、アレンジバージョンだからこっちなのね!
小林神〜小林神〜!と勝手にファンをやっていますが、光吉さんも大好きです。デイトナUSAからなので、小学生とかその頃でした。こんな人のボーカル聞いてたらそりゃセガに傾倒するよな!(笑)。セガのサラリーマンであるにも声がそこんじょらのプロの歌手よりもイイ、そしてなによりも声色がオンリーワン!ああ、たまらんぜ……。光吉さんと小林さんのタッグでの思い出と言えば、その昔Twitterで小林神を発見して「こ、小林さん!光吉さんに歌ってもらったりとかしないんですか!?」なんてムチャな質問を投げたことがありまして。そのツイートを偶然光吉さんも見ていたようで「ファンタシースター歌わせてよ〜」なんてフリが飛んで来てうはー!とコーフンしたことがありました。
そして約1年後「Ignite Infinity feat. Takenobu Mitsuyoshi」が実現して、もうアッハー!そんでもってそれを生で聞けるとかこの上ない幸せ、CDよりも超イイ、光吉さん生で本当に歌えるとか凄いです。


Ex:Burning Hearts~炎のANGEL~

よもや、これが生で聞けるなんて……。光吉さんが何を歌うかーみたいなトークをしていたときに開場から「バニレン!バニレン!」とコールが飛び交っていたけれど「(バニレンじゃテンション高過ぎるから赤どこかなぁ)」と思っていたらマジでバニレンや、バニレンうおおおおおおお!ごめん、俺も「バニレン!」とコール送りました。
もう細かい感想とかいいよね、もう本当に良かった!超良かった!!!
曲の後半では一旦引いたアネットさんが乱入して、光吉さんとアネットさんのダブル「Burning Ranger!!!」カッケェェェェェェ!!!「いつか小林・光吉・アネットトリオでPSと関係なくていいから、激熱チューン聞けないかなァ」とさらに欲望は増していくのです。


15:Ignite Infinity(小林秀聡)

「インフィニッティー!」このフレーズを入れたのは大正解だよね、聞き手もどこかで演者となれる要素があるって素敵!
Save This World -vMIX-からIgnite Infinityまでの間、もうコンサートは別モノと貸していてこっちもテンション高くなって「ヒューヒュー」言ったり、みんな4分で手拍子を送っている所を8分にしたりブレイクでキッチリ止めてみたり、挙げ句の果てには「コバヤシさーん!」と2〜3回ほど叫んだりしていました。
隣に居たお客さんは本当にごめんなさい><。


16:Title - PSO2 -(小林秀聡)

ここから再びオーケストラモード。
この曲、うまく形容することが出来ないアンビエント的な曲調なんですが凄く気持ちいいんですよね。生だとなおさら素晴らしい。最近このゲームばっかりやっているので「再び始まったね」とPSOメドレー第二章の幕開けを感じさせます。
曲順を見るとわかるのですがどんどん作品が現在の物に向かっていきます。こうやってシリーズを追って聞くようなことってあまりしたことがないので、ここで初めて気付いたことがありました。

「小林さん、どんどん進化してるぞ……。」

小林節は10年前に土台は築きあがっているのですが、それをより綺麗に見せたり生音でも打ち込みならではのムチャな使い方が減ったり、なによりも曲を綺麗にまとめる力がどんどんついていること。凄いぞ小林神、10年後もっとエロいことになってるんじゃいのかな。オーケストラとスピーカーから流れるシンセ音やSEのシンクロ率もPSO2パートからえらく高いのにもちょっと納得出来る理由だと思います。


17:Stage Medley - PSO2 -(小林秀聡)

普段腐る程聞き倒しているステージBGM。オーケストラで今更聞いても……ウ、ウォー!!! これはとても新鮮ッ。
シンパシーシステムで再生される曲って、数多く存在するフレーズをゲームの進行に合わせてピックアップされるのでランダム性が高いです。凄いシステムだとは思うのですがその反面、曲としての印象的な部分がこれだ!と感じる場面が少ないんじゃないのかな?と心配になっていました。しかしいざ演奏されるととてもわかる、全部覚えてる!全て脳内でステージとシンクロするっ!やっぱりプロって流石やで。
オーケストラで演奏されて一番びっくりするほど良かったのは「火山」でした。「KAZAN」じゃなかった!「火山」だった!火山名曲過ぎる!!! 火山行きたくなる、ウォー!!!

ステージBGMメドレーで演奏された曲目は「森林・火山洞窟・砂漠・凍土・浮遊大陸・遺跡」でした。「地下坑道」はテクノナイトになっちゃうからね、仕方ないね。


18:Dark Ragne(床井健一)
19:Big Varder & Quartz Dragon Medley(床井健一)

床井さんのターン。PSO2のボス曲は名曲揃いですが、今回オーケストラ演奏によって飛び抜けてクオリティの高まったのは「ビッグヴァーダー」。ラグネやクォーツに比べるとそれほどテンポは早い訳ではないのに、心というか魂が灼熱の如く燃え上がる……元気がもりもりと湧いて出てくる!
ちょっと視点は変わるのですが演奏を見ていた面白かったのは「クォーツドラゴン」戦。超早引きバイオリンは演者さんとっても大変だと思うの。


20:Falz Arm & Dark Falz Elder Medley(小林秀聡)

今回のラストは勿論「ダークファルス【巨躯】」。PSOシリーズにおいて、やはり対ボスBGMのクオリティは他の作品と比べても圧倒的に高くて最終決戦ともなればPSOの楽しみの1つではないでしょうか。最近はダークファルス緊急の周回速度も上がりゆっくりとBGMを聞く機会が激減していたのでこうやってしっかり聞き直しが出来て、しかもそれが生演奏だなんて幸せ。わがままを言うならとってもヘッドバンキングしたかった……エルダー戦は個人的に超縦乗り曲なので、いつもBGM大きめにして「(ギュオオオオオギュン)ズン、ダッ、ズズズン、ダッ」。うずく身体を我慢してこっそり手でリズムをとって楽しんでいました。
そして勿論DFエルダーのHPが減るとお馴染みの……「PhantasyStarOnline2 OPENING THEME」キターーー!テンションやっぱり上がるよね!生演奏でもスピーカーから出るドラムパートとシンクロさせて演奏するってえげつない。シメも最高!良かった、本当に良かった!!!


アンコール:For Brighter Day - Orchestra Version -(熊谷 文恵)

「感無量」




以上、2013年3月30日に行われたコンサートの演目について私の勝手な感想を沢山書かせてもらいました。ここまで読んでくれた人は本当にありがとう、実はまだもうちょっと続くんじゃ。

オーケストラコンサートに参加するのは初めての経験でしたが、こういったゲームのイベントに参加するということ自体初めてでした。物販の長い行列、曇天の下震えながら待機、人のとても多いコンサートホール、いつも雑誌・ウェブなどのメディアでしか見たことの無い人が目の前にいるという夢なのか現実なのかわからないシチュエーション。

コンサートが終わって最初に感じたことは「あ、これからなんだ」という清々しい気持ち。アンコールで流れた「For Brighter Day - Orchestra Version -」で1つのエンディングかのように思えたのですが、なんだか続きがあるというそんな気がするのです。そういえばPSO2のキャッチコピーに「終わりなき冒険を、今ふたたび。」というものがありましたが、これも冒険の中の1つのエピソードに過ぎないのかもしれません。けど、こうやってまだまだ続いていくよ!って気分の方が「まだ楽しんでいいんだなぁ!」と大好きなことを続けていいんだと明るい気持ちになるので、いいですよね。


Sympathy2013に参加された皆さん、そして演者の皆さん、お疲れ様でした。本当に行って良かった、楽しかったッ!

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